私の小学校4～5年生の担任の先生、E先生の言葉です。先生は泣き虫先生でした。クラスの子が良い事をすれば泣きながら褒めてくれ、悪いことをすれば目に涙をためながら怒る先生でした。先生がよその学校に赴任された年の夏休み、友達と3人で先生の家に遊びに行ったことがあります。とても喜んでくださって楽しい時間を過ごしました。夕方になると先生の家の近くには海があったので4人で海に散歩に行きました。
先生は「海は大きいね～人の悩みや悲しみや苦しみは海と比べると小さいね」と海を見ながらおっしゃいました。先生は1年前に生まれて間もない我が子を事故で亡くしておられました。何度もこの海に来て、自分を責め、励ましてこられたんだろうと先生の横顔を見ながら思いました。そして私たちの方を見て「だからこれから辛いことがあっても海の大きさを思い出してね」と優しく微笑まれた。これが私が一番心に残った言葉でした。この言葉、この先もずっと大事にしていきたいと思っています。
