大学時代、Ｉ子さんとＹ子ちゃんと私の３人は、入学直後から気が合い４年間ずっと一緒に過ごしました。特にＩさんは入学式の席が偶然隣同士で初めて喋った人でした。
大人しくて引っ込み思案なＹちゃんと、背も高く大人っぽいⅠさん、そして騒がしい私という性格もバラバラな３人でした。ガイダンスも３人で授業がなるべく一緒になるように組んだりもしましたが、第２外国語だけはＹちゃんはフランス語、Ⅰさんはドイツ語、私は中国語とばらばらでした。「え～？中国語取るの？なんで？」というⅠさんに「私メッチャ語学苦手だから、中国語だったら漢字でな~んとなく意味わかりそうな気がするんじゃないかな～って思って」と私が答えると「中国語喋れたってカッコよくないじゃ～ん！」って言いました。まぁ今風で言うと「ダッサ！」ってことです（笑）しかし、いざ中国語の授業に行くと渡された教科書は漢字などなく「なんだこれ？」って思ってると、中国人の先生が「本文は発音記号で書いてあります。これを漢字に直してから日本語に訳してきてください」って言ってる・・・・( ﾟДﾟ)ﾊｧ? 二度手間じゃん。「だったらドイツ語かフランス語の方が良かったぁ～」と２人に泣きつくとＹ子ちゃんは「ええ～そうなの？難しそうで大変じゃん」って同情してくれたのに、Ⅰさんは「楽して単位取ろうとするからだよ」って言い放ちました（爆） その後も中国語の授業は悲惨でした。受講者が少ないってのもあったけど、先生が出席を呼名でつけるんです。漢字は中国読みできますからね。でもほぼみんな自分の名前を中国語で覚えられないんですよ。大学のルールで授業を３分の１以上欠席すると試験が受けられません。「私は出席になってるの？欠席になってるの？それすらわからない。どうしよ～～～～😭」と真剣に悩む私にⅠさん大爆笑してたっけ。「そんな笑ったら悪いわよ・・・」と言ってるＹ子ちゃんも笑い堪えてたな（爆）
テニスの授業は３人で色違いのトレーナー着てたら「君たちってホントに仲いいね。」と先生に言われるくらいでした。
テスト前には私の家に集まって勉強したり、恋バナしたり、ご飯行ったり、飲みにも行ったり・・・私の学生時代には無くてはならない２人です。
卒業後、Ⅰさんは地元の企業に勤め結婚し、会社で初めての女性の役員になりました。
Ｙ子ちゃんは教員になりました。お互い独身だったころに会った時は「私ほんとに忘れっぽいから、子どもたちに配るプリント職員室に忘れて取りに行ったら、他の物持って来てしまって３往復もしたのよ。子どもたちから『先生ボケるには早いよ』って笑われるんだけど、ほんとに自分でも忘れっぽくていやになっちゃう」って言うから私とⅠさんは「ボケてるのは昔から。今に始まった事じゃない」って笑い合ってたけど、それがＹ子ちゃんの脳腫瘍の症状だったとは思いもよらなかった。15年前、Y子ちゃんは脳腫瘍で何度も手術をしたのに力尽きて亡くなってしまいました。
そして15年経った今日の昼過ぎ、Ⅰさんのご主人からⅠさんが亡くなったと電話がありました。数年前からパーキンソン病にかかってはいたのですが、ここ数年喋り方も不自由になり電話で話せなくなりました。夜中や明け方に電話が来たりして、娘さんに連絡するとパーキンソン病による痴呆も入ってて時間の感覚がなくなってるとのことでした。コロナがなかったら後数回は会えてたはずなのに・・・・
パーキンソン病だけじゃなく、癌と腸閉塞も併発して、最後は胃ろうをしていたと聞きました。
ご主人は最後まで気丈に話してくださいました。「全然知らなくて…会いに行けないままでごめんなさい」と謝る私に「そんな…謝らないでください。最後まで仲良くしてやってくれてありがとうございます。」と言って下さいました。
電話の後、娘さんにlineをしました。まだ現実なのかそうじゃないのかよくわからない状態にいると。そして『お父さんが優しいからお母さんも幸せだったと思います！』と。その言葉に少し救われた気がした私でした。
大学でも有名だった仲良し３人組。とうとう私一人残ってしまいました。寂しいです。
