我が家のカブは保護犬です。大人になるまでずっと狭いゲージの中で最少量の食事を与えられて、外で走ることもおもちゃで遊ぶこともなく育った子です。シェルターに引き取られ、たぶん10日以内にうちに来てると思いますが、来た時はガリガリに痩せ、反抗することも騒ぐこともなく、ただひたすら震えているだけの子でした。
我が家に着いた時、なんとも言えない目をして私たちを見ていました。「ここはどこ？僕はこれから何をされるの？ぶたれるの？蹴られるの？」って訴えるような目でした。
昨日の夜、宅配便から荷物が届きました。慣れたとはいえ怖がりのカブはインターフォンが鳴るとワンワン凄い声で吠えまくります。昨日も私が玄関で荷物を受け取ってる間中吠えていました。それを夫が叱ったそうですが、その𠮟り方がカブの記憶にフラッシュバックしたようで、今朝は夫だけじゃなく私に対しても警戒心Maxの目で震えていました。私は昨日夫が叱ったことを知らずにいました。カブは、私が助けてくれなかったことに対しても信用しなくなってるんでしょう。この５カ月、一生懸命カブの心を開いてきたつもりだったのに一瞬で元に戻るのかと絶望的な気持ちになりました。でもどんな理由があれ、カブの心の傷を癒すという飼い主の責任があり『こんなところで悲しんでたらいけない!!』と気持ちを切り替えましたが、ご飯も大好きなおやつも食べず、私たちを軽蔑の眼差しで見ながら震えてる。抱っこしてやろうと思っても『キャン」と鳴いて拒否をする。夫が朝の散歩に連れて行ったけど、いつののように尻尾を上にあげて嬉しそうに歩くのではなくトボトボとあるいていたらしい。積み上げていた積木がガラガラと崩れていったような虚しさを感じながらも、「また１段目から積み上げるしかないな」と覚悟しました。
そんな時、夕方孫をあずかってくれと次男夫婦がやって来ました。昨日あんなに叱られたのにワンワン吠えまくりながら玄関に向かって飛び出していきました。事情を知らない次男たちが、いつものように「カブ、元気にお出迎えしてくれた？」とか言いながら撫でてくれるとだんだんいつものカブの顔に・・・・事情を説明すると、少しの間リビングでカブと一緒にいてくれました。それがカブが普通になるきっかけだったんです。次男夫婦が出かけた後、1歳になる孫がいつものように思いっきりのナデナデをしてくれてカブが逃げ回り、それを孫が追いかける・・・といういつものパターンですっかり落ち着いたカブ。その後夫がカブを散歩に連れて行ったら、尻尾が上にあがっていたと言ってました。
次男たちはまさに救いの神！ 特に１歳の孫には感謝です。次男たちは夜ごはん前には帰って行きましたが、その後カブにご飯を上げたら完食でした。そしてずっと自分のベッドで外を見て寝てたのに、今はソファーの上で鼾をかいて寝ています。朝からずっとカブに申し訳に気持ちでいたけど、明日からはまた普通のカブに戻ってくれると信じて寝ます。ほんとにありがとう(*_ _)
